はじめに
立体感を出すことは、イラストの説得力を高める上で非常に重要です。今回は、人物や物体を立体的に捉えて描くための基本的なコツと、練習方法をご紹介します。箱や球体を使ったシンプルな形からスタートして、キャラクターやアイテムに応用していきましょう。
練習課題①:基本形体で立体を把握しよう
- 球体・箱・円柱などの基本形を描いて、光の当たる方向を意識しながら立体的に表現。
- クリスタの「楕円」や「直線」ツールを活用し、正確な形状を描く。
- 回転させたり角度を変えて、複数の視点から形を捉える練習をする。

ポイント:
- どんな複雑なモチーフも、基本形に分解して考える癖をつけよう。
- シャドウの位置やハイライトの入り方で立体感が大きく変わる。
練習課題②:人物と物体を立体的に描こう
- キャラクターの頭部を球体+円柱(首も)で捉え、構図を決める。
- 鼻、目、口、顎を大まかに捉える凹凸を描く。




ポイント:
- パーツの重なりを意識することで、空間を感じさせる絵になる。
- 立体のアタリをしっかり取ってから描くことで、歪みを防ぐ。
3Dデッサン人形でポーズや構図決め
CLIP STUDIO PAINTの**3Dデッサン人形(3D人形)**は、人物イラストのポーズや構図を効率よく決めるのに非常に便利な機能です。以下では、ポーズや構図決めのための活用法をステップごとに紹介します。
1. 3D人形をキャンバスに配置する
手順:
- 素材パレットを開く
[ウィンドウ] → [素材] → [3D] → [ポーズ]や[人物]フォルダを選択 - 「3Dデッサン人形」をドラッグ&ドロップ
キャンバスにドラッグすると3D人形が配置されます。 - 配置された3D人形を選択状態にする
→ すると、周囲に操作ハンドルが表示され、移動・回転・拡大縮小が可能になります。
2. ポーズを変更する
ポーズの付け方(3つの方法):
🔹A:自分で1つ1つ関節を動かす
人形を選択し、腕・足・体幹などをドラッグで自由に変形。
🔹B:ポーズ素材を適用する
素材パレットの [3D] → [ポーズ] から
「立ち」「走り」「座り」「戦闘」などのテンプレをドラッグ。
🔹C:画像・写真からポーズを読み取らせる(AIポーズ推定)
- メニュー:[編集] → [ポーズスキャナー] → [画像を元にポーズを設定]
- 写真や自撮りを元にAIがポーズを自動生成します。
3. カメラアングル(構図)を調整する
視点の操作方法:
- 上部メニュー or 3D操作ハンドルで、カメラの移動・回転・ズームが可能
- 特に構図を決めたいときは、次の視点が重要:
- ローアングル(下から見上げる)→迫力ある構図
- ハイアングル(上から見下ろす)→ドラマチックな印象
- アイレベル(目線と同じ高さ)→自然な印象
「視点ツール」や「カメラの設定」ウィンドウを使うとさらに細かく調整できます。





まとめ
立体感は、どんな画風やモチーフにも応用できる基本スキルです。物の構造をしっかり理解し、シンプルな形で捉えることで、複雑なイラストも自然に仕上がります。まずは基本形から始めて、人体やアイテムに応用していきましょう。

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