
はじめに
前回はBlenderのパーティクルの基本操作として、Emitterで粒子を放出する方法を紹介しました。今回はそれをさらに一歩進めて、「動きのあるエフェクト(爆発、破片、火花など)」を作る方法を解説します。
派手な演出は、映像やアニメーションの表現力を大きく高めてくれます。しかも、基本的なパーティクル機能と少しの工夫だけで再現できるのです。
目的
以下のような動きのある粒子エフェクトを作るスキルを身につけます:
- 爆発のように一斉に飛び出す粒子
- 火花のようにランダムに散る動き
- 破片が落下・回転しながら飛び散る表現
基本設定の応用:爆発風エフェクト
1. エミッターを設置
Shift + A
→ [Mesh] → [Icosphere] を追加(球体から放出するイメージ)- 「パーティクルプロパティ」から新規パーティクルを追加
- Typeを「Emitter」に設定

2. パラメータの設定
設定項目 | 推奨値 | 説明 |
---|---|---|
Number | 200〜500 | 粒子の数(爆発感を出す) |
Start / End | 同じ値(例:1) | 一気に放出させるため |
Lifetime | 30〜50 | 粒子がしばらく残るように |
Velocity > Normal | 5〜10 | 爆発の勢いを演出 |
Render As | Object | 火花や破片用のオブジェクトに置き換え可 |

StartとEndを同じにすることで、1フレームだけに集中して粒子が発生=爆発感UP!
ランダムな動きを加える
- Velocity > Random:0.5~1.0程度
→ 粒子の飛び方向にランダム性を追加 - Rotation(回転)を有効化
→ 破片のような回転運動が可能に
エフェクト強化:フォースフィールドの活用
パーティクルの動きに物理的な力を加えることで、よりリアルな動きを再現できます。
例:風や重力を使う
Shift + A
→ [Force Field] → [Wind] を追加- Gキーで位置を調整し、Rキーで風向きを変更
- [力の強さ] を調整(例:Strength = 10)

火花や破片の見た目をリアルにするには?
- パーティクルの形を変更する
- [Render] タブ → 「Render As」→「Object」
- 火花用に小さなメッシュ(細いスティックやスパーク形状)を別途用意
- Materialで光る効果を付ける
- Emissionシェーダーを使って発光感を出す
- フレームごとに縮小する/消す
- Transparency(透明度)やスケールアニメーションを使うと自然な消失が可能
応用例:破片を落とす
- Gravity(重力)を有効にする(Field Weights > Gravity = 1)
- Lifetimeを長めにして、破片が落下する様子を演出
- 「Dynamic」チェックで回転や跳ね返りのような動きも再現可能
よくある質問(FAQ)
疑問 | 回答 |
---|---|
爆発の中心から放出されない | Objectのスケールが0になっていないか確認 |
粒子がランダムに見えない | Velocity > Randomが0になっていないか確認 |
オブジェクトが回転しない | Rotationを有効にし、Angular Velocityも調整 |
参考リンク
- Blender Manual: Emitter Particle Settings
- Blender公式チュートリアル:Quick Explosions(動画)
- Blender StackExchange: Explosion FX Tips
おわりに
今回はパーティクルのEmitterを使って、「動きのある演出」を作る方法を学びました。単に粒子を放出するだけでなく、速度・方向・外力・回転・見た目といったパラメータを組み合わせることで、表現力が一気に広がります。
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