【Blender】Hairパーティクルで作る髪や草 第3回:静的な粒子とグルーミング

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はじめに

パーティクルといえば、前回まで紹介した「動きのある粒子(Emitter)」が有名ですが、Blenderにはもう一つの重要なパーティクルタイプがあります。それがHair(ヘアー)パーティクルです。

Hairパーティクルは、髪の毛・草・毛皮・ブラシの毛など、「表面に固定された静的なパーティクル」を表現するのに最適です。この記事では、Hairパーティクルの基本的な使い方と、髪や草のような自然な形に整える“グルーミング”操作について紹介します。


Hairパーティクルとは?

Hairパーティクルは、Emitterと違って時間による放出はなく、常に一定の本数がオブジェクト表面に存在し続ける粒子です。しかも、これらの粒子はカーブ状になっており、曲げたり長さを変えたりといった編集が可能です。

項目特徴
タイプ静的(時間経過で変化しない)
用途髪、草、毛皮、ブラシなど
特徴グルーミング(整毛)が可能、物理演算と連携可能

実践:Hairパーティクルで草を生やす

1. エミッターとなる平面を作成

  • Shift + A → [Mesh] → [Plane] を追加
  • 必要に応じて S で拡大

2. パーティクルシステムを追加

  • オブジェクトを選択し、パーティクルプロパティ(●アイコン)を開く
  • [+]で新しいシステムを追加 → 「Type」を Hair に変更

→ 一気に地面に草のような毛が生えたような見た目に変わります!

3. 長さや密度を調整

設定項目説明
Hair Length髪の長さ(例:0.5〜2.0)
Number本数(例:1000〜5000)
Children子パーティクルの生成(補間により密度UP)

💡 Childrenを使うと見た目の本数を増やせるため、パフォーマンスとのバランスも取りやすくなります。


グルーミングモードで髪・草を整える

1. 「Particle Edit」モードに切り替え

  • 上部のモード切り替えから「Particle Edit」を選択
  • ビュー上で毛を直接ブラシで操作できるようになります

2. 主なツール

ツール名説明
Comb(櫛)毛の流れを整える
Smooth毛の曲がり具合をなめらかにする
Length長さを短くしたり長くしたり
Puff / Cut毛をふくらませたり、切ったり

📝 髪を描くような感覚で、直感的に毛並みや流れを操作できます。


草や毛皮に使える工夫ポイント

  • 頂点グループで範囲を限定
     → 草を生やす範囲を調整できる(Weight Paintと併用)
  • ランダム性を加える
     → Children → Clumping / Roughnessを活用して自然さを出す
  • マテリアルで色分け
     → 根元と先端でグラデーション(ColorRamp + Hair Infoノード)

よくあるつまずきポイント

問題解決策
髪が表示されないViewportの表示設定(Show Emitterなど)を確認
髪が細すぎる / 太すぎるRender → Strand Settingsで太さを調整
カメラから見ると不自然LengthやChildren、Roughnessの設定で自然さを出す

応用例:キャラクターに髪の毛を生やす

  1. キャラクターメッシュの頭部にHairパーティクルを設定
  2. Particle Editでスタイリング
  3. Hair DynamicsをONにすれば揺れやたわみも再現可能!

参考リンク


おわりに

Hairパーティクルは、一見難しそうに見えるかもしれませんが、使ってみるととても直感的で楽しい機能です。特にParticle Editで毛をブラシのように操作できるのは、他の3DCGソフトにはないBlenderの強みの一つ。

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