【Blender】物理演算 第6回:流体&煙(Fluid/Smoke)シミュレーション入門

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この記事で学ぶこと

  • Mantaflowによる流体(Liquid)と煙・炎(Gas)シミュレーションの基礎構造
  • DomainやFlowオブジェクトの基本設定
  • パラメータ(解像度、時間スケール、ステップ数など)の意味と調整のコツ
  • 実践課題:コップから水がこぼれ落ちるシーン+煙の立ち上がり表現
  • ベイク設定やトラブル時の改善方法

1. Mantaflowとは?

Blender 2.82以降に搭載されたMantaflowは、流体と煙・炎の両方を扱える統合シミュレーションエンジンで、よりリアルな再現と高度な制御が可能です


2. DomainとFlowの構成

Domain(領域)

  • Cubeをシーンに追加 → Physicsタブ → Fluidタイプ:Domain
  • Typeを Liquid(流体)または Gas(煙・炎)に切り替え
  • Resolution Divisions(解像度):ドメイン内を細かく分割。数値が高いほどリアル、遅くなる
    docs.blender.org+1community.gamedev.tv+1
  • Time Scale/Adaptive Time Steps/CFL Number:シミュレーション速度や精度を管理
    docs.blender.org

Flow(流体発生元)

  • メッシュに Physics → Fluid → Flow を追加
  • Typeを LiquidGas、または Fire + Smoke に設定
  • BehaviorInflow(継続供給)か Geometry(初期形状)に選択

3. 実践課題①:コップから水がこぼれるシーン

  1. コップ型オブジェクトをEffector(Liquid, Geometry)に設定
  2. DomainにLiquidを設定
  3. Resolutionを 64〜128 に設定し、適切なドメインサイズを維持
  4. 再生/調整:Time Scaleや解像度を調整しながら好みの見た目(マテリアル)を設定

各種設定

4. 実践課題②:煙と炎を立ち上げるシーン

  1. Ico Sphereに細分化、ディスプレイスモディファイア(テクスチャクラウド)を設定
  2. Ico SphereにFlow(Fire + Smoke)とForce Fieldを設定
  3. DomainのTypeをGasに変更
  4. Domainにマテリアルを設定
  5. 炎や煙が好みの見た目になるように各数値(Density,Fuel等)の調整やキーフレームを設定

各種設定

Domainのマテリアルの設定

5. パラメータ調整のポイント

項目効果
Resolution Divisions解像度・パフォーマンス
Time Scale早送り・スローモーション
Adaptive Time Steps & Substeps安定性
CFL Number高速流体の精度
Viscosity(液体)粘性の強さ(牛乳・粘土風表現などに有効)blender.stackexchange.com+11reddit.com+11developer.blender.org+11
Vorticity/Noise(煙)渦流やディテールの増加

6. トラブル対処&ヒント

  • シミュレーションが荒い/泡立たない? → 解像度やSubstepsを上げる
  • 水が消える? → Domainを広くしすぎない/境界方法の確認
  • 炎がレンダリングされない? → Blackbody Intensityを上げる
  • パフォーマンスが遅い? → Domainサイズ削減/Replay Cacheでプレビュー

参考動画


まとめ

  • Mantaflowでの流体・煙・炎設定の基本を理解
  • DomainとFlowの関係・役割を整理
  • Resolution/Time Scale/Noiseなど重要パラメータを把握
  • 実践課題を通じてベイクやトラブル対処の基礎を習得

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